還暦老人ボケ日記
山口 瞳
新潮社 刊
発売日 1989-07
還暦の著者の日常を描く 2006-11-11
これは昭和61年10月30日から昭和63年3月9日までの約1年4ヶ月の著者の日常を日記形式で書いたものである。著者60~61歳の作品で、それで題名が「還暦老人」となる。
「医者から運動を勧められた。散歩には出るが、これは運動にはならない。ゴルフはやる気になれない。過激な運動は年齢的に無理だ。そうやって府中通いが始まった」と週末にはご夫婦で競馬場に通い、買った馬券の戦績を記してある。他に野球、特に地元国立高校の試合と日本シリーズの記述が目立つ。羽生善治さんら十代棋士に内弟子修業の最後の棋士で棋界最高峰の中原・米長がコロコロと負かされてしまうと。この頃から将棋の世界は変わっていったのか。直木賞の選考委員を務めていて、「いかに古臭いと言われようとも、リアリティのある上質な感傷場面(描写)のない小説を私は認めたくない」と。作品にも新しい波が押し寄せていた。
暦ひとめぐりの人生を、ダテに生きちゃあおりません。そりゃあ物忘れはひどくなった。挙動ものろくなった。しかし、世にもの申したきことはふえる一方なのです。究極のエッセイが日記スタイルにきわまってから、はや3年。兼好法師の境地で世に送る日記シリーズ第1弾!
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